そもそも“障害者アート”って何?
障害者アートって、どんなアート??
皆さんは“障害者アート”という言葉を聞いて、どんなものを想像しますか?
“障害者アート”と一言にしても、そこにはいろんな作品が存在します。水彩画もあればクレヨンで描いたイラストのようなものもあります。中には本格的な油絵を描かれる方もいらっしゃいます。また、絵だけでなく紙や粘土を使った立体作品、糸や布を使った織作品、写真、コラージュ、CG、習字、詩・・・ジャンルを限定せず、知的や精神、身体に障害のある方が作られる作品のことを総称して障害者アートといいます。
近年では、アールブリュット、アウトサイダーアート、エイブルアート、チャレンジドアート、パラリンアートなど、様々な呼び方があり、その立場や考えによりどのような名称を使うのかという議論も高まってきています。ちなみに世界的には、フランスを中心としたヨーロッパのアート市場ではアールブリュットが、アメリカを中心としたアート市場ではアウトサイダーアートが使われることが多いようです。(これ以外にも、単に、現代アートやモダンアート、アートと表現する流れもあります。)
障害のある人も絵を描くの??どうやって絵を描くの??
障害のある人も、勿論、絵を描きます。私たちと同じように、モチーフをそばに置きそれを見ながら描く方もいれば、写真や本を見ながらそれを参考に描く方もおられます。また、頭の中でイメージや空想を広げ、その世界を絵で表現する方もいらっしゃいますし、現実と空想が混ざったような不思議な世界を表現する方もいらっしゃいます。上手に描こうとか褒めてもらおうという思いが少なく、想いのままに自由にのびのびと描かれる方が多いと感じます。
画材や紙などもたくさん種類があるため、福祉施設の職員さんやアート専門の支援員さんのサポートを受けながら制作に適したものを選ばれています。自分の好きな画材や道具をみつけ、こだわりをもって制作に取り組まれる方もいらっしゃいます。
また、制作スピードについても、一筆書きや早描きのように一瞬で描き上げてしまう方もいれば、一筆一筆ゆっくり丁寧に色を重ね、数か月~数年という膨大な時間をかけて一つの作品に取り組まれる方もいらっしゃいます。まさに十人十色、皆さんそれぞれ自分のスタイルでアート活動に取り組まれているのです。
今、福祉の世界ではこんな課題があります。
昨今、日本の障害者アートが世界から注目されていますが、まだまだアートで生計を立てられる障害のある方は少ないのではないかと思います。お仕事としてアート活動をされている方は、作品や商品を販売した売上の一部が収入につながります。また、アート活動以外に、軽作業やモノづくりなどのお仕事を平行してされている方も多く、そのような労働が彼らの収入になっています。障害のある方の自立を進めていこうという施策のもと、行政では様々な支援策がとられていますが、工賃(お給料のようなもの)の全国水準は月額15,000円程度(※1)と依然として低く、障害のある方の工賃向上が慢性的な課題となっています。
一方、余暇活動・趣味としてアート活動をされている方々にとっては、絵を描く場所、障害の特性に応じた専門のサポートをしてくれる場所を見つけることが難しいそうです。自己表現手段の一つとしてアート活動を楽しみにしておられる方も多いのですが、自宅や福祉施設では設備や専門的サポートがないのでなかなか制作が進みません。福祉事業所以外でのアート活動のあり方も検討が必要です。
※1 26年度平均工賃(賃金)の実績 14,838円(全国平均)
厚生労働省HP
目次
FUROSHIKI商品開発ストーリー トップページ
(1)原画作者へのインタビュー・その1
(2)原画作者へのインタビュー・その2
(3)原画作者へのインタビュー・その3
(4)丸和商業株式会社 林社長へのインタビュー
(5)風呂敷 使い方あれこれご紹介
(6)もっと詳しく知りたい方のために・・・
※編集・インタビュー:ダブディビ・デザイン 柊 伸江